浜辺でのひろいもの

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「ごめんなさい、僕がこの人を発見したばっかりに。」 2人の横でナツメが泣きそうな顔で謝り始めた。 マアヤは小さく首を振ってナツメの言葉を否定する。 「いいえ、あなたはこの浜辺で人の命という尊いものを拾ったのよ。謝る事なんて何もないわ。もし可能なら、先に診療所に行ってお湯を沸かしておいてくれる?兄さんが帰って来たらすぐに手術が出来るように準備をしておいて欲しいの。」 マアヤ自身も一般的な成人男性よりも大柄なトウゴを抱えて歩くのに無理をしているはずなのに、辛さを見せずにナツメを励ます。 そんなマアヤの言葉を聞きながら、トウゴの意識は遠のいていった。
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