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自分に向けられたわけではないが、マアヤが微笑んでいるのを見てトウゴはほんの少し安心する。
「そうだ、俺はお前に発見してもらえなかったら今頃死んでいたんだ、ありがとう。」
トウゴがナツメの方を向いて礼を言うと、ナツメは更に泣きそうな顔になり、ついには涙をポロポロと落とし始めた。
礼を述べたのに泣き始めたナツメを見てトウゴは狼狽えてしまうが、そんなトウゴにマアヤが囁く。
「ナツメはとにかく涙もろい子なんです。あれは辛くて泣いているわけではないから安心してください。」
そう言うと、準備していた薬を飲まされてトウゴは再び布団へと寝かされた。
「お薬も飲んだ事ですし、しばらく休んでいてください。またご飯の時間になったら来ますけど、何かあったら遠慮なく呼んでくださいね。」
マアヤがおかゆの入っていた器などを片付けながらトウゴへと告げる。
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