本当にわかぎみさま。

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トウゴの目が覚めてから3日が流れた。 その間、朝昼晩と3回欠かさずマアヤがトウゴが寝ている部屋へとやってきてご飯と薬を飲ませてくれていた。 トウゴは骨折と外傷だけで内臓は損傷しておらず、体を思う様に動かせないだけで他は至って元気なのでただ寝ているだけで暇を持て余していたので、マアヤが訪ねてくる事がこの上なく楽しみで仕方がなかった。 3度の食事もただのおかゆから雑炊へと変化していき、どれも絶妙な味付けでトウゴの舌を唸らし、何よりもマアヤが食べさせてくれている時に雑談を交わす時が一番心が安らいでいた。 それとなく国内の状況を聞いたりしてみたが、王子が行方不明だという話は聞いた事がないとの事だった。 たったひとりの国の跡取りが行方不明だと国内に知れ渡れば、国内が混乱してしまうので事実を伏せているんだろうとトウゴはぼんやりと考えていた。 マアヤはあれから気を使ってか、名前を聞くことはなかった。
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