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「そうだな。そして国民により安心して生活してもらえるように海賊撲滅も果たさなくてはいけないしな。」
トウゴはそう言うと、再び先頭に立ち望遠鏡を覗き始めた。
幼すぎて顔すら覚えていない両親を殺された悔しさ、悲しさなど複雑な感情がトウゴの中で海賊が人一倍許しがたいものとして存在していた。
日も暮れ始めて、辺り一面グレーの雲に覆われ大粒の雨が空から降り出し、いよいよ天候も本格的に荒れ出した。
さすがの百戦錬磨の海軍もこれ以上の航海は危険だと判断し、港へ引き返そうとした時だった。
船先で何かを見つけたトウゴが大声をあげる。
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