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荒れた波を掻い潜り、徐々に海賊の船へと近付いていくが、船先にいるトウゴはどことなく何か違和感を感じ、戦闘に備えて船内で準備をしている海兵隊員に知らせようとした時だった。
目的の海賊船が停泊している岸壁の裏側にあたる大きな岩場の陰から別の小型の海賊船が数曹飛び出し、海軍の船の後ろ側へと近付いてきて海軍の船を取り囲んだ。
「まさか、あれはおとり用の船?!」
トウゴの叫び声が聞こえたのか、一番近くに付いた海賊船の乗組員が高らかに笑った。
「そうだ!あれはおとりだ!まんまと罠にかかってくれたもんだ!」
そう言うと、声を出した海賊は他の乗組員に指示を出してトウゴが立つ海軍の船の先端にわざとぶつかって海軍を威嚇し始めた。
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