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「礼を言うぞ。対価は後日送るとして……じじいは酒、チビ共はジュースでいいか?」
左門さんの問いかけに、子供達から「のむー!」と歓声が上がった。口々に好きな果物を告げる彼等の頭をぐりぐりと撫でると、お店へと向かう。
「僕も何かお菓子を用意してくるよ。小春はみんなと休んでいて」
ピクニックシートと座布団を並べていた右門さんが、私に座るように勧めてくれる。けれどあることを思いついた私は、お礼を伝えながらも辞退した。
「演奏を聴いていただけなので大丈夫です! 私がお菓子を用意しますよ」
左門さんの後を追いかけると、子供達も一緒についてくる。こちらを見て「なんだ? 待ちきれんのか?」を目を丸くする左門さんに、私は提案を持ちかけた。
「左門さん、シフォンケーキを食べてもらいましょう!」
ぐっと拳を握って「好きな味を聞けば参考にもなります!」と告げると、左門さんは暫し首を傾げた後に頷いた。
「なるほど、証拠いん」
「リサーチです!!」
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