500人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで、脱がせたいんですか?」
「……ひふっ?」
忘れかけていた恥ずかしい妄想を蒸し返しされて、まるで空気が漏れるような変な声が出た。
「……脱がせたくはないんですか?」
言いながら、わざと見せつけるようにしてスーツを脱ごうとする。
「や、やめ! こっ、こっ、ここで脱ぐなッ!」
彼の片方の肩から落とされたスーツを、あたふたと着せかけ直しつつ言うと、
「ここではって言うなら、別のところでならいいんですか? 例えばホテルとか……」
耳元に息を吹き込むようにもして囁かれて、思わず腰が砕けそうにもなる。
オイって! だから、俺の耳に息を吹きかけるのは、やめろって!
心臓に悪いだろッ!
最初のコメントを投稿しよう!