脱がせたい。後編

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「それで、脱がせたいんですか?」 「……ひふっ?」 忘れかけていた恥ずかしい妄想を蒸し返しされて、まるで空気が漏れるような変な声が出た。 「……脱がせたくはないんですか?」 言いながら、わざと見せつけるようにしてスーツを脱ごうとする。 「や、やめ! こっ、こっ、ここで脱ぐなッ!」 彼の片方の肩から落とされたスーツを、あたふたと着せかけ直しつつ言うと、 「ここではって言うなら、別のところでならいいんですか? 例えばホテルとか……」 耳元に息を吹き込むようにもして囁かれて、思わず腰が砕けそうにもなる。 オイって! だから、俺の耳に息を吹きかけるのは、やめろって! 心臓に悪いだろッ!
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