脱がせたい。後編

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「ちょ、ちょっと……えっと、だから、その……するのか? ホントに……」 「しますよ」 一言で言ってのけて、俺のネクタイの結び目に手をかけると、グッと一気に緩めた。 「……ぬっ、脱がせんの?」 恐る恐る訊いてみる。すると、 「そういえば脱がせたいって言ったのは、先輩の方でしたか。じゃあ、俺のスーツの方を脱がせてみますか?」 全くあさってな方角から答えが返ってきた。 ほら脱がせて下さいとばかりに、俺の前に膝をつくそのイケてるスーツ姿をじっと見つめていたら、 「……スーツが決まってる」 思わず感嘆が口をついた。 「ええ、だからそれを脱がせてくださいって」 「…そ、それは……ムリ……」 あまりに決まりすぎなスーツ姿に目を吸い寄せられたままで呟くと、 「……ああ、スーツが好きすぎて脱がしたくないんですか? だったら、着衣エロでいきますか?」 そう提案をされて、「着衣エロ?」と、顎に手をあててふむ…と考え込んだ。
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