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息を吐き顔を突き合わせて、
それから、どちらからともなくキスを交わした。
「……これからもっといろんなことを研究して、先輩を感じさせられるようにしますので」
そんな風にも話す彼に、
「……いや、あんまり研究はしなくていいんで、」
やや恐縮しつつ応えて、
「……その、俺のこと愛してくれたら、それでいいから」
ちょっと照れながら、そう伝えると、
「……愛します、俺の全身全霊で」
グッと手を握られ熱っぽく宣言をされて、
「ああ、いや、そこまではしなくても……」
軽くはにかみ笑いを浮かべると、「そこまでさせてくださいよ…」と、切なげに見つめられた。
「……先輩と、本気で愛し合いたいんです」
俺を見据える真剣な眼差しに、
「……わかった」
と、自分からも彼の手をぎゅっと強く握り締めて、
「……俺も、おまえと本気で、愛し合うから」
ベッドの上で互いの手を固く握り合い、熱く視線を絡めて、込み上げる想いに唇を重ねた。
スーツの決まりすぎる彼との付き合いは、ようやくまだ始まったばかりだった……。
了
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