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「……お、俺と行かなくてもいいだろう…」
たった今どよめいたばかりの女どもがこちらをじっとりと睨んでる気配がする。
「瑞樹先輩と、行きたいんですよ」
突き刺さるような視線など気にもしていない仁王寺の鋼鉄なハートが、ひたすらに恨めしい。
「どうして俺となんだよ?」
ダメ押しで聞き返すと、
「面白いからです」
さっきと同じようにも答えて、彼はまた口角を上げてにっこりと微笑んだ。
またしても津波のようなどよめきが襲いかかって、
俺は逃げるように、「だったら、早く行くぞ!」と、早足で課を出た。
一体俺の何が面白いのか知れないが、こんな針のむしろのようなところにいたたまれるか!
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