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この低くよく通る声はまさか……振り返ると、俺のスーツの神ーー仁王寺が立っていた。
このシチュエーションは、本日二度目だ。なんでこいつはいつも、俺に構ってくるんだよ?
「残業ですか?」
訊かれて、
「ああ…」と返して、「おまえは、もう帰ったんじゃなかったのか?」と、尋ねた。
「外回りで遅くなって、ちょっと片付けないといけない仕事があって戻って来たんですよ」
「……そうか…」
ヤバい、見とれる。つい顔が赤くなりそうにもなって、目を逸らした。
と、
「……何、赤くなっちゃってるんですか?」
目ざとく赤面したのを見つけられた。
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