【2】

2/11

66人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
「あー楽しかったぁ♪ねぇ次はボウリングしに行こうよ!」と萌未が、半ば強引に伊織の手を引いた。 思わずその手を振り払うと、すぐに我に返って「あっ…悪ぃ♪」と笑いながら言うと「ビックリしたぁ!嫌われたのかと思った!!」と笑いながら、萌未は伊織の腕を掴んでボウリング場へと向かった。 何となく萌未とのデートも上の空で、あまり記憶には残らなかった。 萌未はモーテルに行きたがっていたが、伊織は気持ちも良くないセックスをしたくなかったからそれを頑なに拒んでいた。 それとなくボウリングをしていると、隣から楽しそうな男女の学生の声が聞こえた。 ふと見ると、あの少女がいた。 伊織はドキッとしながら見つめていたが、少女は伊織には全く気付かない様子で楽しそうにはしゃいでいた。 「ねぇ!次、イッちゃんの番だよ!!」と言い、萌未が覗き込んだ。 伊織は笑いながら「悪い悪い♪」と言いながら、ボールを転がすと、ストライクを取った。 萌未が「イッちゃん、凄ーい!さすがだねぇ!」と言ってきたが、正直どうでも良くてあの少女が気になっていた。 萌未が「ちょっとトイレ行ってくるね」と言い、立ち上がると伊織はタバコを吸い始めた。 少女が気になり見つめていると、少女が伊織に気づいて駆け寄ってきた。 「あれ?君もボウリングするの?」と言いながら微笑んだ。 伊織も微笑みながら「するよ♪友達と来てンの?」と聞くと「そうなんだけどさ、ふうは写真を撮りたいのにな。君は一人で来てるの?」と言いながら、ジュースを飲んだ。 伊織はトイレの方を見て「俺も友達とだよ。本当は家で寝たいよ」と苦笑して言うと、頭を掻いた。 すると「じゃあさ、どっか行こ♪」と言いながら伊織の手を引いて、少女のいた所へ行くと「ちょっと、このお兄さんとお散歩してくるね♪」と言い、走ってボウリング場を出た。 伊織が「ちょっ…!」と言うと「あー!スッキリした♪ねぇ、バイクは?」と言いながら、伊織を見つめた。 伊織は「あるよ。乗る?」と言いながら駐輪場へと向かった。 少女が「わぁーい♪じゃあさ、海に行きたい♪」と言うと「よっしゃ。じゃあ乗りな」と言い、バイクを走らせた。 萌未も乗りたいと言ったが、断固として乗せることはしなかったのに、何故かこの少女をすんなり乗せることには抵抗はなかった。 バイクを走らせていると「君、良い匂いがするね♪」と言い、少女はニッコリ微笑んだ。 伊織が「そぉか?気のせいだよ」と言い、優しく微笑むと「何か、優しくて大好き♪」と言いながら、うっとりしていた。 しばらく走らせて海に到着すると、少女が背伸びをした。 するとタンクトップから、ノーブラだったのか胸がチラッと見えた。 伊織が慌てて目を逸らすと「どうしたの?何かあった?」と言いながら、伊織の顔を覗き込んだ。 伊織は「ブラ、してないの?」と言いながら、上を向くと「うん!してないよ?ホラ♪」と言い、タンクトップを上にたくし上げた。 伊織が慌てて、上に着ていたジャンパーを少女に着せて「あんさ一応女の子なんだから、ブラしろよ」と言うと「えー?息が詰まるし、ヤダよーだ」と言いながら、あっかんべーをした。 その顔にドキドキしていると「俺、男だよ?変な野郎にイタズラされたら、どうすんの?」と言いながら、ため息をつくと「そうかなぁ?でも、擦れて気持ちが良いよ♪」と言い、乳首を指差した。 タンクトップの上から乳首がポチっと出ていて、さらに伊織は恥ずかしくなりながら「今日はそれ貸してやっから、ずっと着ていなさい。わかった?」と言い、頭を撫でると「アハッ♪あんがと♪君、優しいね♪」と言うとジャンパーを着てファスナーを閉じて、伊織の腕を組んで浜辺を歩いた。 しばらくして「ふうのパパね、今お付き合いをしている女性がいて、何だか頭がパニックなんだぁ…」とぽつり呟いた。 伊織が黙っていると、さらに「だからちょっとでもパパに構って欲しくて学校サボってるんだけど、そんなとき君を見つけたから、気になっちゃった♪」と言うと、俯きながら伊織の腕をギュッと握った。 「そっか。家には、その彼女さんは来たことがあるの?」と聞くと「うん。何度かあって、たまに二人で部屋でイケナイことしてる。何でだかわからないけれど、怖くて聞きたくないからいつも家を飛び出して、近所の公園にある大きな滑り台で一日過ごしてるんだ…」と言いながら、少女は涙を流した。 その顔に伊織はドキッとしながら「辛いよな。スグ近くに住んでいたら、駆けつけてやんのに…」と言い、少女を抱き寄せて頭を優しく撫でた。 少女は「へへ…あんがと。嬉しいな…このこと、誰にも言っちゃあヤダよ?」と言いながら、上を見上げて伊織を見つめた。 伊織は「もちろん。俺とお前だけの秘密だ。」と言い、優しく微笑んだ。 「ふうはね、誰も友達がいないの。皆変だって言って、近づかない。いつも一人だった…」と少女がぽつり呟くと「そっか?じゃあ俺は?」と聞くと「君は、何だか特別だよ?友達じゃないよーな?それに君のことを考えると、胸が苦しくなるんだよね」と笑いながら言い、顔を赤らめた。 伊織が「俺もお前のことが気になってた。お前のことを考えると胸が苦しくなるし、なんつーかさ自然体でいられるっつーか…要は好きみたいな?」と言うと「ふうも君のことばかり探してて、何度も神様にお願いしたり占いをしたりしてた。でもまさか、今日会えるとは思わなかった。嬉しい…」と言い、照れ笑いをした。 伊織は少女の顔を撫でると、そっとキスをした。 唇を離すと「ぷはぁっ!息出来たぁ!!」と少女は言いながら呼吸をすると、伊織はビックリしながら「えっ?あっあんさ、ずっと息止めてたの?」と聞くと「うん!だって子どもが出来ちゃうから、息を止めてたら子どもが出来ないって本に書いてあったんだよ♪」と照れ笑いをした。 伊織は段々とおかしくなっていき「でぇーじょーぶだよ!そんなんで子どもが出来たら、親父さんとのキスだって子どもが出来ちまうだろーが!」と笑うと「えっ?パパとは親子だから出来ないと思ってたから、一緒にお風呂にも入っていたしキスをしたりしてたよ?」とキョトンとした顔をした。 伊織が「はっ?!まだ親父さんと一緒に入ってンの?」とビックリしていると、少女はニッコリ微笑みながら頷いた。 「でも君に告白されたから、もうパパとはお風呂に一緒には入らないよ♪ただ…」と言い、少女は俯きながら「君とこうしていたい」と言うと、抱きついた。 伊織が「俺もこうしていたい…」と言うと、力強く抱きしめた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加