【2】

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トイレから戻り、タバコを吸おうと外へ行こうとすると「兄ちゃん♪」と風の声がした。 伊織が「おぉっ!どした?」とビックリしながら言うと「へへへ♪何処行くの?」と言い、風はニッコリ微笑んだ。 「何かタバコ吸いにくいから、外で一服しようかと思っただけだよ」と言うと「ふうも行く♪」と言い、腕を組んでお店の外に出た。 レストランの近くにあるドブ川で、ボンヤリとタバコを吸っていると風がニコニコ笑いながら「タバコって、美味しいの?」と聞いてきた。 伊織は「んー。どうかな?吸ってみる?」と言い、タバコを渡した。 ほのかにチョコレートみたいな香りがし、風が「あっ!この匂い、兄ちゃんの匂いだ!」と言うと、タバコを口に咥えると思いっきり吸い込んでしまったのか、凄いむせ込んだ。 伊織が「でぇーじょーぶかぁ?」と心配をすると「ゲホッゲホッ…!うっ…うん…大丈夫♪」と言いながら、風は涙目になっていた。 「アハッ♪まだ早かったか?」と言いながら伊織が優しく背中を撫でて、涙を拭った。 風が「兄ちゃん、苦しいから抱っこして?」と甘えるような声を出し、伊織を見つめた。 伊織は「わーったよ。ほら、オイデ♪」と言いながら、優しく風を抱きしめた。 風が「兄ちゃん、大好き♪」と言うと「俺も風のことが好きだよ」と言い、優しく微笑むとオデコにキスをしてレストランへと戻っていった。
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