【3】

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大樹が自分の単車をイジっていると、伊織がやって来た。 「おっ?どした??」と言い掛けよると「俺、何で生まれてきちまったんだろうな…」と言いながら、微笑んだ。 すぐに何かを察し、大樹は自分の部屋がある離れの家に連れ込んだ。 離れの家に入ると、電気をつけてエロ本とかを片付けた。 「まぁ散らかってンけど、住む家が見つかるまでここにいろよ♪」と言い、ニカッと笑った。 伊織は笑いながら「バーカ。」と言いながら、大樹の肩を軽く小突いた。 大樹が冷蔵庫の中を開けながら「卵にハム野菜、果物も入ってるし何でも入ってる。あとビールに日本酒にその他乾きモノもあるから、好きに食べていいぞ♪」と言い、伊織を見ると「俺、酒飲めねぇんだよな…」と伊織がぽつり呟くと、大樹を見つめた。 しばらく沈黙が続いたが、大樹が「洗濯機も自由に使っていいから。嫌だったら、クリーニング店が歩いて5分ちょいのトコにあるからよ、好き勝手に使っていいからな♪」と言いながら、笑った。 伊織が「大樹、あんがと♪」と言うと「お前が生まれてきたのにはキチンと理由があってだな、そうだなぁ…俺と出会うためだったのかもな?」と言いながら、トランクスとTシャツとジャージズボンを手にするとお風呂へと入って行った。 伊織は笑いながら「俺はゲイじゃねぇよ。このタコが!」と言うと、うっすら涙を浮かべていた。
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