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この日、伊織は高校を退学し学校を後にすると山本先生が駆け寄ってきた。 「どうしちまったんだよぉ!」と聞くと「んー?別に♪世話になったな♪」と言いながら、山本先生の肩を叩いて去っていった。 バイクを停めていた駐輪場へと向かうと、肩を出した大きめなセーターを着ていて短パンを穿いた風が立っていて、ヤンキーに声を掛けられていた。 風はそっぽを向きながら、風船ガムを膨らませながら伊織を待っていた。 それでもしつこく声を掛けていると「誰の女に声を掛けてンだ?クソ野郎…」と言いながら、そのヤンキーの一人の頭を掴むと思いきり握り、残りのヤンキー二人をギロリと睨んだ。 ヤンキーの一人が「あらーこれは、羅華愛屡の目黒さんじゃないっスかー…失礼しましたぁ!!」と言い、走って逃げていった。 風が「凄ぉーい♪兄ちゃん、強いねぇ♪」と言いながら、伊織に抱きついた。 伊織が「そんなハレンチな服装すんな」と笑いながら風の頭を軽く叩くと「んむぅ!あんねぇ、これ兄ちゃんが着てたセーターだよぉ?」と言いながら、口を尖らせた。 伊織は笑いながら「またしてねぇだろ?」と聞くと「だってぇ、苦しいんだもん…それに乳首が擦れて、キモチイイの♪」と返事をすると「ハハッ♪バカ」と言い、バイクにまたがって乗った。 風が「兄ちゃん、大好き♪」と言いながら、バイクにまたがって伊織にしがみつくと走らせた。 それを、萌未が見つめていた。 先程のヤンキーたちが「萌未さん、すいやせん!」と謝罪をすると「もういい。アンタたち、使えない。」と言いながら、思いきり蹴り飛ばしながら「あんな女に…何でよっ!!」と言いながら、もう一人のヤンキーを殴った。 もう一人のヤンキーが「萌未さん、堪忍してくださいよぉっ!!」と言いながら抵抗をしているっ「何、口答えしてんのよっ!!このクズ!」と泣き叫ぶと「何してんの?」と言い、何者かが萌未の手首を掴んだ。 萌未が振り返ると有名な女子校の制服を着ていて、ロングスカートを穿いた黒髪で赤い口紅をして伊織と同じタバコを咥えた咲樹が立っていた。 萌未が「何よアンタ…離しなさいよっ!」と言うと「噂で聞いていたけれど、目黒くんもこんなバカでアバズレな女に好かれて大変だったわね…」と言い、思いきり腕を捻った。 咲樹は双子の兄とは違っていて背が高く、スラッとした美人だった。 この日はたまたまメガネを修理に出していたため、コンタクトレンズをしていた。 「咲樹ー。何してんのよ!今日は、羅華愛屡の集会があるンでしょー!?」と言いながら、同じく浮羽尊のメンバーの有村好実(ありむらよしみ)が駆け寄ってきた。 咲樹が「んー?今行くから、待ってて!」と言った後「もう二度と、目黒くんには近づかないで」と言い、倒れていたヤンキーにハンカチで傷ついた所を優しく拭き取って去っていった。 咲樹がいた所は、ほのかに甘くて色気のある残り香がした。 そのヤンキーたちが、立ち上がり「お姉たまー!待ってぇ!」と言いながらフラフラ行くと「ちょっ…ちょっとぉ!あたしを裏切るの?!」と萌未が言うと「あっ?あんまし、調子こいてンじゃねぇぞ?このクソ(アマ)?」と言いながら、ツバを頬に吹き付けると笑って去っていった。 萌未が半泣き状態で「もぅ!何なのよぉ!!」と言いながら、その場にへたり込んだ。
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