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朝起きて、居間へ行くと「おはよ。」と母親が笑顔で挨拶をしてきた。
伊織は無言でテーブルの上にのっていた朝食を食べると、母親が「昨日はゴメンね…お母さん、頑張るから」と言い、伊織にお弁当を渡した。
「頑張らなくていいから…じゃっ行ってきます。」と言い、伊織は学校へと向かった。
昨日の土砂降りの雨とは打って変わって、綺麗な青空が広がっていた。
何となく学校へ行くのはもったいないと思い、学校をサボってバイクで公園へと向かった。
バイクを走らせること数分、いつもサボっている公園へと到着をした。
ポケットからタバコを取り出し、タバコを咥えて火を着けてボンヤリしていた。
遠くからはラジオ体操の音がしたり、ジョギングをしたりしている人も何人かいた。
伊織はただただ何も考えずに、ベンチで横になり目を閉じた。
心地よい風が吹きつけ、気がついたら眠ってしまっていた。
ふと目を覚ますと髪の毛は金に近い茶髪の髪の毛をしたショートヘアで、くっきり二重でまつ毛が長くて青い目をした子が伊織の顔を覗き込んでいた。
「あっ♪生きてたんだぁ?」と言い、ニコニコ笑いながら伊織の頭を撫でた。
「うわっ!なっ何だぁ?!」と言い、慌てて起き上がると「キャハハ♪面白ーい♪」と言いながら、カメラで伊織の顔を撮影した。
伊織が「えっ?あっ?!何?何なの!?」と言いながら動揺をしていると「ねぇこんなとこで寝てたら、ダメだよぉ。来て?」と言い、伊織の手を引いて噴水のある場所へと連れて行った。
てっきり髪型からして男の子かと思っていたが、有名な女子中学生の制服を着ていたからすぐに女の子だとわかった。
伊織が「お前、学校は?」と聞くと「今日は行きたくないから、ボイコットした♪君も?」と言い、微笑んだ。
その笑顔にドキッとしながら「そっか。俺も同じだよ。」と言うと「じゃあさぁ、ボイコット仲間ということでお友達になって♪」と言い、またしても微笑んだ。
伊織は外見からよく判断をされてきて、大樹以外友達がいなかった。
彼女の佐藤萌未がいるが、萌未は伊織の外見に惚れ込んでいたため中身を見ようとはしなかった。
伊織が「あんさ、俺のこと怖くないの?」と聞くと「えー?何でぇ?面白い人かな?」と言い、伊織の手を握った。
噴水に到着すると「ねぇ、ここに立ってよ♪」と言い、カメラを構えた。
伊織は苦笑しながら立っていると「心の底から、笑ってよねぇ!」と言い、少女は微笑んだ。
父親とのことを思い出しながら笑っていると「ありがとう!君って、いつもこの公園にいるよね?」と言い、伊織の顔を覗き込んだ。
伊織は「えっ?そっかなぁ…?」と言い、頭を掻くと「あのバイク、君ンのでしょ?カッコイイよねぇ♪」と言いながら、伊織のバイクを指差した。
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