【1】

5/9

66人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
伊織は「んっ?あぁ…よくわかったね」と言うと「いいなぁ…ふうもバイクに乗りたいなぁ…」と言いながら、バイクの写真を撮影した。 伊織が「良かったら、ちょっくら乗るか?」と言うと「えっ?!いいのぉ?」と言い、目を輝かせた。 普段後ろには絶対に誰も乗せなかったが、何故か少女を乗せようと思った。 伊織はバイクの乗り方を教えてからバイクに乗り込むと少女はメモを取り、バイクにまたがった。 バイクを走らせると少女が力強く伊織に抱きついていたが、次第に慣れてきたのか「ひゃっほぅ♪行け行けぇい♪」と言い、すっかりノリノリになっていった。 サボテン公園に到着し、二人は降りた。 少女が「ありがとう♪」と言い、伊織の頬にキスをした。 伊織がビックリし、笑いながら「アンタ、面白いね♪」と言うと「うきゃきゃ♪ねっ、サボテン見に行こ?」と言い、伊織の手を引いてサボテン公園へと向かった。 サボテン公園は無料で、誰でも出入りが出来る施設だった。 手を繋いで、サボテンを見たりした。 そのたびにカメラで撮影し、伊織に「ねぇ、この子可愛いねぇ♪」と言い、サボテンを指差した。 伊織も「あっ…あぁ。この子…か」と言うと「きゃー!見て見てぇ!!今、この子が挨拶してきたぁ!」と言い、丸っこいサボテンを指差した。 すっかり少女のペースに合わせていると、お昼12時のチャイムが鳴った。 伊織が「あっ…そう言えば、飯は?」と聞くと「んー…お腹ペコペコだよぉ…」と言いながら、お腹を押さえ、伊織を見つめた。 「良かったら、俺の弁当だけど食う?」と聞くと「えー?!悪いし大丈夫だよん♪ありがとうね?」と言うと、ニッコリ微笑んだ。 伊織は「いいよ。食いな」と言い、お弁当箱を差し出した。 少女はツバをゴクリと飲み込むと「わぁー♪あんがとぉ♪」と言い、お弁当箱を開けると夢中で食べ始めた。 伊織はその様子を微笑ましく見つめていると「んっ?あっ!!君のは?」と言いながら、右頬にご飯粒を付けながら伊織を見つめた。 「俺のはいいよ。気にしないで食いな」と言いながら少女に付いたご飯粒を取ると、自分の口へと持っていき食べて微笑んだ。 少女は「ゴメンね?じゃあお詫びに、今度お礼させて?」と言いながら、上目遣いをした。 伊織が「でぇーじょーぶだよ。」と言い、タバコに火を着けて吸い始めた。 すると「じゃあ撮影した写真をあげたいからさ、明後日会おうよ!」と言いながら、少女は微笑んだ。 伊織はその笑顔にドキッとしながら「そう言えば、お前って有名なお嬢様中学校に通ってるよな?っつーことは、俺より年下になるんだが…?」と言うと「アハッ♪そんなこといいじゃん♪」と言いながら、お弁当を完食してしばらく談笑をした。 あっという間に14時になり「さて、そろそろ帰りますか。お嬢様。」と言うと「いやだ!お嬢様じゃないよ!」と言いながら、お弁当箱を伊織に渡した。 伊織はお弁当箱を受け取ると、微笑んで少女の頭を撫でながら立ち上がりバイクを停めていた駐輪場へと向かうと、少女もあとを付いて行った。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加