同世代 学園関係

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ヒロの良いところ、そして、琴音が心底信用している部分、それは…誰も裏切ったことが無い事だ。 普段誰かと一緒にいて、思い込みやすれ違いのせいで、している本人はその気が無くても、受け手から見て思っていたことと違う事をされると、多かれ少なかれ、自覚的か無自覚かはともかく、裏切られたと感じるものだ。その原因は細かく言えばキリがないけど、大体お互いに自分を良く見せようとか、下らない見栄をはる、もっと露骨に言ってしまえば”嘘をつきあう”ために起きる。 その嘘がずっと続けられれば大丈夫でも、どこかでやっぱり無理が出て来て、アラが出た時に受け手がそれを見て失望する…とまぁ、そんな考えの齟齬が生じてしまうのは、人間関係においてよくある話だが、ヒロにはそこがない。 良く見られようとか衒うようなことが、まるでない。あまりに能天気で、物事を深刻に考えずやり過ごしてしまう、たまに、いやしょっちゅう後ろから蹴りたいと思うことがあったが、自然とブレずに相手と裏なく付き合える性格に、琴音は何度も救われているとしっかり自覚し、密かに感謝もしていた。 それを証拠に、ふとしたキッカケで、ヒロは琴音と義一の関係を知ることとなったが、この時に、琴音がこの事について、誰にも言わない様に懇願したのだが、それをヒロは中学になった今でも、それなりにバレそうになる状況に遭遇してすら、秘密をしっかりと守り通してくれている。 不本意にも巻き込んでしまった挙句に、身勝手なお願いだったのにも関わらず、この件などは特に、本当に心の底から感謝をしていた。これは勿論、絵里、裕美に対しても同じなのは言うまでもない。 まぁ…そんな感情を持っていても、顔を合わせると、ついつい憎まれ口、軽口を叩いてしまうのだが。 …っと、後、急に話が変わるが、ヒロが果たして、裕美のことを実のところ、どう思っているのか…?それについてはまだ…先の話だ。
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