同世代 学園関係

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さて、普通なら中々そんな風だから、琴音と裕美が交わる事が起きようが無いと思うのだが、本当に偶然に、たまたま通い出した受験向けの進学塾で、裕美から声を掛けられたのだった。 この時裕美は、周りに地元の人がいなくて心細かった所で、ふと見覚えのある私の姿を見つけて、思わず声を掛けちゃったと話していた。 しかし、本当は何か他にもっと本質的な理由があるのに琴音は気づいている。 …いや、そう裕美本人が匂わせているので、恐らくその通りだろう。 作中で一度だけ、何気無しに琴音から聞いてみた事があったが、殊の外裕美が気まずそうに渋って見せたので、それ以上は琴音も聞かなかった。まぁ、裕美が自分で覚悟が決まったら話すと約束してくれたので、それに免じてと言うか、裕美を信用している琴音は、気長に待とうと決めたのだった。 まぁひとまずこの件は置いとくとして、何よりもこの時点で、ある意味今までで一番裕美に驚かされた件があった。 それはもちろん…裕美が実はヒロのことを好きだという事実だった。もちろん恋愛的な意味合いでだ。 しかも、それは小学生時代からだというから、中々に長めな片想いをし続けていることになる。 この告白を聞いた琴音は、驚きつつも、そして…不思議と何か心の中にズッと重石がある様な、例の得体の知れない”ナニカ”とはまた別物の存在を覚えつつも、本心から裕美を応援しようと思っている。
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