相棒日和

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辰巳が塚田の異変に気付いたのは、みなとみらい署に二人揃って勤務してから5年目の夏だった。持久力に定評のある塚田が度々疲れたと言って道端にしゃがみこむ様になった。 「おい、大丈夫か」 「ふう、大丈夫大丈夫。昨日ちょっとゲームで夜更かししちまってさ。あー疲れたぁ」 「ったく、相変わらず私生活がだらけてやがる。しょうがねえ奴だぜ」 「うっせー、てめえもバディなら俺のプライベートくらい管理しろよ」 「誰がするか」 「ケチな奴」 その時はふざけ合って終わりになった。だが度々そんな事が重なると流石の辰巳も笑って済ませなくなっていく。それ程に塚田の様子はおかしかった。ついに塚田を強引に病院に連れて行った結果、塚田はそのまま署に戻って来る事はなかった。急性白血病と診断された塚田はそのまま入院したのだ。
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