彷徨うオンナ

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「お邪魔したわね。」 私と先生は長いこと、ジャズバーで話をしていた。 いつのまにかお客さんもいなく、私と先生だけの空間になっていた。 中々帰らない客に、マスターも痺れを切らしてたんじゃ無いかと心配したが、にこやかに先生に笑顔を見せた。 「いいえ。 むしろ、嬉しかったですよ。 久しぶりに、 昔の、 先生と乱さんを見ている様で。 懐かしい。 あの頃はここで、よく親子喧嘩をしていましたよね。」 クックックッ。 と、マスターは笑った。 「また、来るわ。 ありがと、マスター。」 先生はバツの悪そうな顔で挨拶をした。
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