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「何、イライラしてるの?機嫌悪いオーラをまき散らさないでくれる?」
確かに、リアムに言われた通りなんだけど。
「日本での仕事、何か作って。あと経理、さっさと人いれて。瑠音が少しの間、帰国する。母親の病気で」
「それで、そんなに機嫌が悪いわけ?」
呆れられてるは分かってるけど。
「日本には蒼馬がいるから」
「瑠音の元カレ?大好きなお兄ちゃんだっけ?」
リアムの皮肉が応える。
「そんな傷ついた顔するかな。日本帰るなら入籍の手続きしてくればいいんじゃない?まだ葉琉も日本国籍のままなんだろ?」
何をそんなに心配する必要がある?
瑠音の気持ちはきちんと僕に向かっている。
それでも蒼馬の名前を聞けば、その自信さえも揺らぐのはなぜ?
「瑠音が盗られそうで心配?」
窓の傍に立っていれば、リアムが後ろから抱きしめてくる。
拒絶しきれない自分が不甲斐ない。
「盗られない様にするだけじゃないの?手伝おうか?」
そんなリアムの言葉に縋りつきたくなる。
「手を貸して」
そして僕は久しぶりにリアムを受け入れた。
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