帰国しました

4/8
前へ
/214ページ
次へ
瑠音は受付でルームキーを受け取って、エレベーター近くまで歩いて行こうとするけど、かなり辛そうだ。 肩を軽く抱いて支えようとすると、腕で押し返してくる。 それでも一緒にエレベーターに乗り込む。 もうそろそろ限界だろう。 部屋のキーを瑠音から取り上げる。 「諦めて」 どうにか態勢を整えようとしているのは分かるけど、さすがにもう無理だから。 俺はそのまま瑠音を部屋に運び入れた。 「止めて。。葉琉(はる)葉琉(はる)。。」 ひたすら泣いている瑠音。 でももう、手遅れだよ。。。 ホテルの部屋のチャイムがさっきからうるさい。 隣には泣き続けている瑠音。 本当にイラつく。 俺は服装を整えると、部屋を出ていく準備をする。 チャイムも鳴らなくなった。 タイミングも今ならいいだろう。 瑠音に声を掛けようと思ったけど、何を言えばいいのかわからなくて、そのまま部屋を出た。
/214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加