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瑠音は受付でルームキーを受け取って、エレベーター近くまで歩いて行こうとするけど、かなり辛そうだ。
肩を軽く抱いて支えようとすると、腕で押し返してくる。
それでも一緒にエレベーターに乗り込む。
もうそろそろ限界だろう。
部屋のキーを瑠音から取り上げる。
「諦めて」
どうにか態勢を整えようとしているのは分かるけど、さすがにもう無理だから。
俺はそのまま瑠音を部屋に運び入れた。
「止めて。。葉琉、葉琉。。」
ひたすら泣いている瑠音。
でももう、手遅れだよ。。。
ホテルの部屋のチャイムがさっきからうるさい。
隣には泣き続けている瑠音。
本当にイラつく。
俺は服装を整えると、部屋を出ていく準備をする。
チャイムも鳴らなくなった。
タイミングも今ならいいだろう。
瑠音に声を掛けようと思ったけど、何を言えばいいのかわからなくて、そのまま部屋を出た。
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