なぜか、美少女( ※ 男)になってた

2/3
前へ
/34ページ
次へ
(・・・どういうこと!?)  じっくりと窓に映る自分の姿を確認するが、やはり。  そこには僕ではなく、さらさらな長髪をした美少女の姿が映っていた。 「え・・・もしかして、これが僕なの?」  恐る恐る、自分の髪の毛を触ってみる。  窓に映る姿の通り、僕の髪の毛は長くてさらさらしていた。    綺麗な髪の毛だ。  女の子の髪の毛なんて、初めて触ったかもしれない。  それに心なしか、良い匂いがしている・・・気がする。  って、自分の髪の毛に欲情してる場合じゃないだろうがい! (これは一体、何事・・・?)  僕は、何かの間違いで女の子になってしまったのだろうか? 「何、よそ見しているのよ。やっぱり脱げないって事は、アンタ・・・!」  ミナトが剣を構える。 「ま、待って! 脱ぎます! 脱ぎますから!」  これ以上焦らすと、本当に首を刎ねられかねないだろう。  恥ずかしがっている場合ではない。  とりあえず上半身だけ脱ごう。  もしかしたら、それで分かってくれるかもしれないだろうし。  そう思い、僕は上着を脱いで、そしてシャツも脱ぎ捨てた。  もしかしたら、僕が女の子になってしまったとしたら。  ・・・胸があるのでは?   などと思い、自分の胸を確認する。  ・・・まっ平らだった。      もちろん、女性用の下着など付けている訳もなく、胸はそのまま丸見えである。 「あっ・・・なるほど。それは確かに、同性でも見られるのは恥ずかしいかもしれません」  黒髪の少女・ヒノは、憐れみの目で僕を見ていた。    そ、それはどういう意味の恥ずかしいなのだろうか。  ブラをしていないから? それともまっ平らだから?  ・・・なんだろう、ただ裸を見られるよりも、ずっと恥ずかしい気がしてきた。    僕は恐る恐る、窓に移る自分の姿を確認する。   「あぁ・・・」  上半身が裸の女の子が映っていた。  何故だろうか。  自分の姿なのに、見てはいけない気がして、つい目を反らしてしまった。 「あ、あの・・・もう服を着ても良いでしょうか・・・」 「ダメよ。下も脱ぐに決まってるじゃない」 「え、えぇ・・・!」  僕が否定的な声を出した途端、ミナトがまた剣を構える。   その動作に、思わず身体がびくりと跳ねる。 「仕方ないから、下着は脱がなくても良いわ。でもズボンは脱いで」   「は、はい・・・」  背に腹はかえられない。    意を決して、僕はズボンを下した。  下着は、もちろん男性用のボクサーパンツであった。  着ている服は、何も変わっていないらしい。   「あ、あれ?」  そこで、僕はとある違和感に気付いた。  本来なら別に気にする事じゃないのだが、今の僕がもし女性になっているのだとしたら・・・。  そうだとしたら、それは明らかにおかしい「違和感」である。  気のせいだろうか。  僕の下半身の前側が、少し膨らんでいるような。    ・・・ちょっと待ってほしい。  僕は先程、ようやく「自分が女の子になってしまった」というとんでもない現象を受け入れたところだ。  なのに、何故またここで、混乱する出来事が起きてしまうのだ?   僕にはもう、何が本当で何が嘘なのか分からない。 「・・・アンタ」  ミナトが僕の下半身を凝視してくる。    「あ、あのっ・・・」  流石に、股間部分を女の子にじっくり見られるのは恥ずかしい。  僕は咄嗟に手で下半身を隠した。 「アンタ、やっぱり・・・!!!」  それがマズイ行動だと気付いた時には、遅かった。  彼女には、僕がパンツに武器を隠し持っている様に見えたに違いない。  そして気が付いた瞬間には、ミナトは僕の後ろに回り込んでいて、そして下半身を隠してたはずの僕の両手は拘束されていた。 「やっぱり。いかにも暗殺者が隠しそうな箇所だわ。けど、相手が悪かったわね! 私の目は誤魔化せないわよ!」 「ま、待っ・・・!」  そして。  ミナトは片手で僕の股間を鷲掴みにした。 「あ・・・」 「え・・・?」   数秒程、時が止まったかの様に、お互いに沈黙する。 「え、こ、これって・・・」  ミナトがぽかんとした顔で、僕を見る。 「あ、アンタ・・・男ぉぉぉ!?」 「ひ、ひゃぁぁぁ!!!」  ミナトに合わせて、思わず僕も叫んでしまった。  
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加