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小学6年生のバレンタインデー。
彼女に逆チョコレートを渡す方法を決められぬまま、登校した。
全ての人の目が僕を捉えているかのように感じる。
そんなことは無い。
そんなことは無くは無いかもしれない。
彼女に逆チョコレートを渡せぬまま、下校時間を迎える。
すると……
驚いたことに、彼女が僕の元にやって来た。
場所は、図書室。
本を貸す当番であった僕の元に、本を借りる利用者として。
彼女は普段、滅多に本を借りることがない。
彼女が今日、借りようとした本も、彼女の興味を引く内容ではなかった。
つまり……
彼女は、僕に会うためにやって来た。
僕から逆チョコレートを受け取るためにやって来たのだ。
僕は、本と共に、逆チョコレートを渡した。
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