0人が本棚に入れています
本棚に追加
●
中学2年生のバレンタインデー。
バレンタインデーを含む期間、彼女はある教科の係員だった。
彼女は今日、この教科の授業を受ける。
僕は、彼女よりも先に、準備室を訪れた。
部屋の隅でコーヒーを啜っていた、担当の先生。
昨年の同日に追試を監督していた先生だったのは、偶然だ。
僕は、先生に頼み事をした。
僕の目は先生の目で留めることができず、後退した前髪の生え際の辺りで泳いでいた。
先生は、今回も何も言わなかったけれど、今回は目を反らさなかった。
ゆっくりと1回、まばたきをした。
了承してくれたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!