僕の話

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● 中学2年生のバレンタインデー。 バレンタインデーを含む期間、彼女はある教科の係員だった。 彼女は今日、この教科の授業を受ける。 僕は、彼女よりも先に、準備室を訪れた。 部屋の隅でコーヒーを啜っていた、担当の先生。 昨年の同日に追試を監督していた先生だったのは、偶然だ。 僕は、先生に頼み事をした。 僕の目は先生の目で留めることができず、後退した前髪の生え際の辺りで泳いでいた。 先生は、今回も何も言わなかったけれど、今回は目を反らさなかった。 ゆっくりと1回、まばたきをした。 了承してくれたのだ。
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