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中学3年生のバレンタインデー。
僕の逆チョコレートは、彼女の彼氏に奪われた。
彼女に彼氏が居ることは、知っていた。
僕は、彼女に彼氏が居ようが居まいが、毎年、彼女に逆チョコレートを贈っていたのだ。
彼女に渡す筈だった逆チョコレートを手にしたこの男子生徒は、彼女の10人目の彼氏だ。
彼氏は、僕の目の前で、彼女の目の前で……逆チョコレートを踏み付けた。
そして、一言。
「おかしい」
……
この場を去る彼氏、彼女はその後を追う。
彼女の手には、汚れて傷付いた包装が――僕からの逆チョコレートがあった。
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