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専門学校2年生のバレンタインデー。
そして、成年となったバレンタインデー。
僕は、以前に暮らしていた、街外れの古びたアパートに来ていた。
見覚えのある扉。
飽きる程見たけれど、見ると安心する。
……今は、知らぬ人が暮らしている、部屋の扉。
それを暫し眺めてから、身を翻す。
すると……
――彼女が居た。
最後に見た姿よりも大人びた、いや大人らしい、彼女が、目の前に……。
真っ先に思ったのは、彼女に逆チョコレートを渡すことだった。
けれど、僕は逆チョコレートを作ってはいなかった。
僕は、彼女に謝った。
僕の代わりに、彼女が何かを差し出した。
それは……
「チョコレート」
……
僕は、彼女からのチョコレートに驚いた。
「バレンタインデーには、女の子が男の子にチョコレートを贈る。
それが、普通のことでしょう?
……いいえ。
これも、
普通じゃない。
"おかしい" ことだよね。
だって……
――私と貴方は、<きょうだい> だから」
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