私の話

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私の母と、彼のお母さん。 その人柄は、反対だった。 彼のお母さんは、仕事に就けても長くは続かず、家事専業になってもその上がらない腕前を披露していた。 隣の私の元を訪れる時でさえも、赤いハイヒールを履いていた。 対して私の母は、仕事も家事も(そつ)無く(こな)す。 洒落ていながらも、身の丈に合った物、自分に合った物を身に付ける。 その要領の良さは、日々の努力の賜物(たまもの)と言えた。 そして、彼のお父さんも、要領良しの努力家だった。 …… 2人がお互いに認め合い、次第に……惹かれ合うのは、必然だったのだろう。 言葉にして伝えることはしていない。 体に触れることもしていない。 2つの家族どちらも、変わることはあり得なかった。 でも、 2人の "好き" に…… 私が気付いたんだ。 彼のお母さんが気付かなかった筈が無いよね。
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