side亜也斗

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と言っても言葉が直ぐ出てこない。 それにさっきテレビであんな格好いいプロポーズ見せられたんじゃ俺が何を言ったって… いや、それでもいい。 今を逃して後悔するくらいなら格好悪くてもいいからこの気持ち伝えたい。 今ならさっきテレビでプロポーズした男の気持ち、少しはわかる。 あの二人にとって分岐点はあの瞬間だったんだろう。 あの二人が進むべき道を選択する瞬間。 だったら俺と咲里の分岐点は今だ。 俺は100秒を意識しながらもゆっくり咲里に告げる。 「咲里…、俺はお前の幼馴染みだ。」 って、当たり前のことを言ってどうする俺っ。 「えっと、じゃなくて…って、いや、幼馴染みなんだけど、だぁー、もうっ。」 やめた、もう取り繕うのやめた。 気持ちを真っ直ぐに。 この思いを届けるために最も必要な言葉。
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