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中学から陸上部の咲里は当然、高校に入ってからも陸上を続けている。
種目はハイジャン。
中学の頃、しなやかに背をそらせながら飛ぶその姿を見たとき素直に美しいと思った。
サッカー部の俺は練習の合間によく咲里が飛ぶ姿を見ていた。
そう、その頃は単純にアスリートとして見ていた。
咲里の飛ぶ姿が好きだったんだ。
けれど高校に入ると俺以外の男も咲里に注目し始めた。
同じサッカー部のやつらや同じクラスのやつらも。
それはアスリートとしてではなく、咲里を女として注目していた。
その事実を知った俺は漸く焦った。
今まで当たり前のように俺の隣にいた咲里が他の誰かとーーー
そんなのあり得ねぇ。
咲里は絶対、誰にも渡さない。
渡したくない。
俺は咲里が好きなんだ。
幼馴染みとしてだけじゃなく、一人の女の子として好きなんだ。
その事に気付いた途端、その思いは一気に加速した。
そして、高校に入って三度目の夏休み。
無防備に俺のところへやって来る愛しの幼馴染みに絶賛、拗らせ中。
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