「ウェルカム」

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「竜崎? 竜崎か!?」 「内海……! どうしてここに!?」  内海桂(うつみ けい)。僕が勤めているコンビニの同僚だ。  遅刻が多い、レジ違算が多い、客からの苦情が多いなどと、内からも外からも悪評ばかり。  分かりやすく言えば、ヤンキーという奴だ。 「どうしてって、私の方が聞きてえよ! だいたい、何だよその戦闘服……!」 「そっちこそ! まさかお前も、サバゲーマーだったのか?」 「そうに決まってんだろ! にわかザコ連中を蹴散らしてストレス発散しようと思ってたら、いきなりワケの分からん光に包まれて、気付いたらこのザマだ。クソッタレ!」  威勢よく悪態をついて内海が立ち上がる。 「まさか……竜崎も同じか?」 「ああ、その通りだ。僕も何が起こっているのか全く分からないが……」  普段なら関わりを持ちたくない相手だが、この不条理な状況下での見知った顔との再会は、妙な安心感があった。  内海も同じ事を思ったのか、肩の力を少し抜いて歩み寄ってくる。 「で、そっちの女は誰だ? まさか異世界の使いか?」  僕と似たような事を言うなと思った時、身繕いを整えた斐月が答える。 「竜崎さんの彼女の、斐月です。よろしく」  僕は「へっ?」と声を上げ、斐月を見る。  彼女は、何かおかしい事でもあるのかと言いたげな顔つきだ。 「か、彼女? んな彼女が居るなんて初耳だ。すげえ服の趣味だな。メイド喫茶か?」  内海は面食らった様子で、斐月の姿を興味津々に観察し始めた。  僕は戸惑いつつも、斐月がそう言う以上は認めざるを得ないと飲み込んだ。  男として責任は取らねば。こんな状況で込み入った痴話喧嘩などしたくもない。
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