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ワクワクするような冒険もの。なんか意外だ。堅苦しそうなイメージが少しやわらいだ。
「今度、面白かった本を教えてください。私も読んでみたいです」
「その本に苦戦しているお前がか?」
「う・・・・・・。これから頑張って克服するんです!」
痛いところを指摘され、膨れっ面で反論する。すると、エドワードさまは表情を和らげ笑った。
笑った顔、初めて見たーー。
その顔に、俺は時を忘れたように見入ってしまう。呼吸をするのを忘れ、目を丸くして。
「どうした?」
「えっ、あっ、いえ」
指摘するエドワードさまの声にハッとして慌てて顔を振った。ドクンドクンと心拍数が早い。なんだこれ。こんなの変だ。
「それは読み終えたのか?」
「え、い、いえ。あと三分の一ほど残っています」
「ならばそれが読み終わったら言いに来い。それまでにいい本を見繕っておく」
「は、はい。ありがとうございます」
ぎこちない言葉。本当に、どうしてしまったんだろう。まともにエドワードさまの顔が見れなくなってしまった。
女でもあるまいし。女装して、心とか頭が勘違いしちまったんじゃないのか。俺は男だ。それを忘れたらダメだ。
それくらい、エドワードさまの笑顔は衝撃的だった。
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