最終話

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 きっとこの先、何年何十年とそばにいたとしても、きっとエドワードさまへの気持ちは増していく一方だろう。年を重ね、いつか体が衰えてきたとしても。きっと、俺はエドワードさまを愛し続ける。  そしてきっと、エドワードさまも俺のことを愛してくれる。  そう確信が持てる。それは、この十年ずっと俺に愛を囁いてくれていたから。 「エドワードさま、これからもずうっと俺のそばにいてくださいね」 「当たり前だ。俺はアキトを誰よりも愛しているのだから」  抱きしめられた体。  すっかり、しっくりくるほどに、俺のものだと感じる温もり。  身代わりとして出会ったあの日から、俺自身として過ごした日々。そのどれもが温かな思い出だ。相変わらず動かしづらいこの左手さえも、俺にとってはかけがえのない思い出に変わった。  きっとこの先も、色々なことがあるだろう。幸せな日も、苦しい日も、楽しい日も、涙する日も。そんなどんな日だとしても、エドワードさまと一緒なら、ノアと共にあるのなら、乗り越えられる。いつしかそれもかけがえのない日々に変わると知っているから。 「愛しています、エドワードさま」 END
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