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「そっか。トワもお父さんしてるんだね」
「ああ。自分でもビックリだよ」
「幸せそうでよかった」
「それはもう、幸せっすよ。アキトも、変わらずでよかった。話はここにも時々聞こえてくるんだ。本当に、王様や王妃さまにみんな感謝してるんだぜ」
二人は、話したいことが山ほどあるようで話がつきないようだった。
一通り村を回って話を聞いたあとではあるし、少しそっとしておいてやろうと俺はもう少し村を見て回ろうと歩き出した。
「あの!」
従者を連れ、歩いていると後ろから呼び止められた。振り返るとさっきのトワさんの息子のクレイが息を切らせてたっている。
「さっきの。どうかしましたか?」
「あの、俺、・・・・・・僕! いつかお城で働きたいです! 騎士として、貴方を守る騎士になりたい!」
「・・・・・・え?」
それはとてもまっすぐな声で。顔は真っ赤に染まっている。緊張に上ずった声は、きりっとしたイメージとはほど遠い。
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