タスク祭

24/24
4875人が本棚に入れています
本棚に追加
/469ページ
「えーー」  次の日の朝、その日一日の予定を告げにきたカイルによってその話は持ち込まれた。 「エマさまがお戻りになり、正式にこちらに来ることをお決めになられたようです」 「本物の・・・・・・」 「はい。ここのところのエドワードさまの人となりをご報告させていただくと、安心してくださったようです」  誇らしげなカイルの表情。嬉しいんだろう。元々は本物のエマの執事としてつくはずだったんだ。元々フォレスタ王国でも側についていたらしいし。どこの誰とも知れない俺なんかにつくよりずっといいだろう。  俺も、とうとうお役御免なんだ。  最初からわかっていたことだ。一月だと言われていた。 「あなた様の功績は、ゼタ王もお認めになっております。フォレスタ王国に戻られても、悪いようにはされないでしょう」 「戻る・・・・・・? フォレスタ王国に?」 「あちらに住居も用意してくださるようですよ。住民権をお与えになると」  そうすれば、異世界から来て身寄りのない俺も暮らしていける。本来なら、もとの世界に戻れる気配のない俺にとってはまたとない話だ。  でもそれは、エドワードさまと離れるということだーー。
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!