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タスク祭
「エマさま、明日城下でタスク祭というお祭りが開催されるようですよ」
「タスク祭?」
夏祭りみたいなお祭りだろうか。
祭りってのはどこにでもあるものなのか。
「はい。タスク祭と銘打ってはいますが、小さなお祭りのようです。年々規模が大きくなっていっているらしいです。出店もたくさん出て、賑わうようですよ」
「へぇ。楽しそうだね」
シシィは目を輝かせながら語る。行ってみたいんだろうな。
でも、シシィはエマについてるメイド。ちゃんと休みはあるけど、自由にとれるわけではないらしい。行かせてやりたいけど・・・・・・。
「それって、俺・・・・・・じゃなくて、私がいってはダメなのかな?」
「え? エマさまがですか?」
「うん。そうすれば、従者としてだけど、付き添いについてくればシシィもいけるじゃない? まぁ、従者としてだから楽しめないかもしれないけど」
そう俺が話すと、シシィはパアアアッと表情を明るくさせた。分かりやすい子だな。
でも次の瞬間シュンと顔色を陰らせる。
「いけません。この間あんなことがあったばかりなんです。怪我だってまだ完治というわけではありませし」
「でも、腕だから動かさなければ問題ないよ。変装していけばいい。まだエマの存在を知ってる人はほとんどいないでしょ? 最悪女装を解けばバレないよ」
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