タスク祭

2/24
4870人が本棚に入れています
本棚に追加
/469ページ

タスク祭

「エマさま、明日城下でタスク祭というお祭りが開催されるようですよ」 「タスク祭?」  夏祭りみたいなお祭りだろうか。  祭りってのはどこにでもあるものなのか。 「はい。タスク祭と銘打ってはいますが、小さなお祭りのようです。年々規模が大きくなっていっているらしいです。出店もたくさん出て、賑わうようですよ」 「へぇ。楽しそうだね」  シシィは目を輝かせながら語る。行ってみたいんだろうな。  でも、シシィはエマについてるメイド。ちゃんと休みはあるけど、自由にとれるわけではないらしい。行かせてやりたいけど・・・・・・。 「それって、俺・・・・・・じゃなくて、私がいってはダメなのかな?」 「え? エマさまがですか?」 「うん。そうすれば、従者としてだけど、付き添いについてくればシシィもいけるじゃない? まぁ、従者としてだから楽しめないかもしれないけど」  そう俺が話すと、シシィはパアアアッと表情を明るくさせた。分かりやすい子だな。  でも次の瞬間シュンと顔色を陰らせる。 「いけません。この間あんなことがあったばかりなんです。怪我だってまだ完治というわけではありませし」 「でも、腕だから動かさなければ問題ないよ。変装していけばいい。まだエマの存在を知ってる人はほとんどいないでしょ? 最悪女装を解けばバレないよ」
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!