21人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「上がれないんだ、助けてくれ」
すると髭を蓄えたいかつい中年男が近寄ってきた。身を乗り出して俺の体へ手を伸ばしてくる。
良かった、これで助かる。助かったらこの人達について行こう、ここの情報を少しでも多く手に入れて早くここから出るんだ!
「なんだ丸腰かよ、よくここまで来れたもんだぜ。」
は?
「よくそんな汚い者に触れますね、早く行きますよ!こんな所に居たら肺がやられます!それにもう時間がありません、急がないと!」
「あ?待てよ丸メガネ!ちっ、腹立つぜ。まぁ後で刻めばいいだけか。」
「オイ!待ってくれ!頼む行かないでくれ!」
「じゃあな。助けてもらえると思ったか?お前にそんな価値ねーよ。」
右耳から流し込まれた絶望に総毛立つ。
最初のコメントを投稿しよう!