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クソッ!目の前のクソッタレの顔を殴る事も出来ない。
無防備な背中をただ眺める事しか出来ないのか!!
ふざけるな!憎い、憎い憎い!
力尽きた指が一本、また一本と離れていく。
忘れない、忘れないぞ。最後の最後まで、奴らの姿をこの目に焼き付けてやる。
殺してやる。憎い、憎い、自分の無力が心の底から。
力が欲しい、誰にも負けない、誰にも傷つけられない力。
そうだ!そうなんだ!力!力さえあればもう何も失うことは無い!
枯れ落ちる木の葉のように、緩やかに下へ下へ落ちていく。
燃え盛る炎と真っ黒な煙が視界を包む。
「呪う、呪ってやる。たとえこの身が朽ち果てようと絶対に許すものか!!」
灼熱の業火は全身に強烈な電流を流す。
真っ暗な世界で薄れゆく意識の中、衝撃を1つ感じた気がした。
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