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2度目の目覚め
『いつまで寝てるのー!遅刻しても知らないからね!』
真っ暗な世界が赤く光りだす。
瞼の裏側に熱を感じ、ゆっくり開けると強光が瞳の中へ射し込んできた。
反射的に固く瞑られた眼をパチパチと瞬きしながら意識と記憶を引っ張り込む。
頭が痛い、視界はぼやけ気分が悪い。
何だ、何が起きた…
なんとか体を起こし周囲を確認すると、石の混ざった砂利っぽい地面に沢山の人が転がっている…
これって…
意識がしっかり戻った瞬間、転がっている人の内何人かがバタバタと様々な方向へ走り出した。
まずい!出遅れる!
まだ寝ぼけている手足を気合いで引っ張って駆け出した。
周囲には木が一切生えていない。大きな岩があちこちに転がっているが、ファーストウルフが来たらひとたまりもない。
まずは木だ、森が見える方向へ最短で走る。
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