11人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
『一家五人行方不明』
そう書かれた記事だ。
家族五人が突然に消えたのだが、借金があるため夜逃げの可能性もあったが、数年後地中からミイラとなって掘り出されたという内容だった。
「ユマとアイバーンくんは、どう思う?数年でミイラになると思う?」
トラクの挑発的な発言にユマとアイバーンは、視線を交わすがお互いに頷いた。
「トラクちゃん、俺らは試されてるのか?」
トラクは、頬杖をついてにっこりと笑う。
「もちろん。大変なことに首を突っ込むんだからね。私にはすぐに分かったからね。ちなみに組織的な犯罪だから、このくらい解いてもらわないと協力はできないよ」
ユマは、うんと背伸びをする。
「トラクちゃん、授業でヒントくれたじゃん。食肉植物を使った木魔法……。それしかないね」
「うふふ。流石ユマくん、正解だよ。でもね人間五人をミイラにしちゃう食肉植物を操れる人って、かなり手強いよ?アイバーンくんがいても危険よ?それでもやる?」
「もちろん」
即答のユマ。
「俺もだ」
アイバーンも即答。
「流石ね。じゃあ耳を貸して」
ユマとアイバーンに耳打ちをするトラク。
三人の運命は少しずつ動く。
だが、身寄りの三人は世話になった学園や街に恩返しをしたい。
その思いが危険と飛び込んでいくのだ。
最初のコメントを投稿しよう!