「Project ANIMA」応募プロット 2「人物設定」

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「Project ANIMA」応募プロット 2「人物設定」

(1)柵 久留美(しがらみ・くるみ)  本作の部活編の主人公。中学2年生。女子。  ラジオでは「ルミ」と名乗り、「回し役」を担当する。  身長・体型は平均的で、胸は平均より大きい。髪は、やや茶色がかったセミロングを、母が編んでお団子1つにまとめてくれることが多い。  普通の目立たない女子中学生。  勉強は中のやや上くらいで、運動能力も平均的。一人っ子で、母親や教師の言うことには素直に従う。父の仕事の都合により転居が多く、両親に心配をかけないように、問題の無いように振る舞っている。  実は廃ゲーマー。  転居が多く友達ができにくいだろうと配慮した両親が、一人っ子であることもあり、コンピュータ・ゲーム機を与えてくれた。  特に詩子と離れて以後は、どこかで彼女やその知り合いに巡り合えるかもしれないという微かな期待もあってMMORPGなどのネットゲームにのめり込む。普段の「言われたことに従う無難な自分」ではない別の姿を演じたいという願望を抱いており、それをネットゲーム内で実現している。ゲーム内でキャラクターの設定なりきって発言する「なりきりプレイ」も好き。  ゲームを介して年齢に関係無く多様な人たちに関わって来たことが、ラジオトークにおいては財産となる。  母が過干渉で、彼女をいつまでも子供として心配しており、「お母さんの言う通りにやればいいの」という育て方をされている。転居が多く、その度に色々と大変な親に負担をかけたくないという気持ちから、今のところそれに従っている。年上である詩子の言うことにも従う。  そうした日常で抑圧されている自己主張を、ゲーム世界に向けている。  「どちらも正しい」と思われる選択肢を自分の意志で選べない。ストレスのかかる状況や咄嗟の時は、他人の指示に従うことで問題が解決したことにしようとする。  この物語において乗り越えるべきこと・変わることは、****。  詩子に対して。  幼少期に名前を「しぃ子」と読み間違えたことを発端に「しぃちゃん」と呼び続けている。詩子は年上だが昔からの対等な口調で話す。  小学4年生まで幼馴染だったが、いることが当たり前過ぎてその稀少さに気付かなかった。転居により離れたのだが、新しい土地でも同等の親友ができるだろう(そうすることが両親も安心させることになるだろう)、そして詩子と連絡を取りたくなったら、あんなに仲が良かったのだからいつでもできるだろうと思ってしまった。実際には詩子に代わる存在などおらず、連絡を取ろうと思った時には先方も転居してしまって連絡が付かなかった(郵便の転送期間も過ぎており、親同士も電話番号や電子メール等が変わったりした際に連絡を取らなかったという設定)。  再会を果たした直後は、彼女の大切さがよく分かったのでもう離れたくないと自覚する。ただ、それが恋愛感情のようなものだとまでは思っていない。  美香に対して。  「美香さん」と呼ぶ。  転校直後の心細い時期に親切にしてくれた恩と巡り合わせを感じている。  クールな容姿と丁寧な言葉遣い、物事をハッキリと言い切る姿が恰好良いと感じ尊敬している。  同級生として、詩子とは別の絆を感じている。学校生活では行動を共にすることが最も多い。 (2)美麻 詩子(みあさ・うたこ)  本作のヒロイン。中学3年生。女子。  銀嶺中学校娯楽放送部の部長で、旧娯楽放送部員の中では唯一の在校生。パーソナリティとしては「しぃ子」と名乗り、ディレクターを兼任する。傾向としてはボケ。  ヒロインである彼女の心理は、主に主人公の視点から語られる物語中においては地の文やモノローグで名言しないこととしたい。  容姿は、久留美と一度別れた小5の頃からほとんど変わらず、小柄で細い。髪は、緩い癖の付いた腰まであるロングヘア。おデコを出している。  元気で、屈託が無く無邪気な振る舞いをする。これは小学生の頃から同じ。スキンシップが多く、部員の手や肩を触りに行く。久留美に対しては挨拶と共に抱き着く。天然ボケのズレた発言が可愛らしい。  部活では部長・ディレクターとして他の部員を主導する。学校の放送室で収録した音源は彼女がUSBメモリで自宅に持ち帰り、家庭用ゲーム機にマウスとキーボードを繋いで編集している。  印象は天然ボケだが、学業成績は優秀。努力家で勉強熱心な性格であることと、秋まで部活動を続けることに無理が無いように。  明るく人を主導するタイプに見えるが、実際は傷付き易く臆病。一人にしておけないので主人公らが必要になる。  旧娯楽放送部が番組制作の方針についての意見の相違をきっかけに離散した体験が、心の傷になっている。その年に入部した自分のせいではないかと悔やんでいる。その経験から、今でも意見をたたかわせたり突っ込んで議論することを恐れる。  新生娯楽放送部が彼女の主導によって順調に発展している間は問題無いが、真剣に意見をたたかわせる段階となった時、彼女は「そこまでするのはやめよう」という道に逃げようとする。主人公である久留美とエヴァーウォーカーの尽力によって、ヒロインである彼女はこの問題を乗り越えることができる。  久留美に対して。  彼女もまた久留美の名前を読み間違えたことを発端に「ルミちゃん」と呼び続けている。  久留美とは小学5年生まで幼馴染だった。音信不通になってしまった経緯は久留美の側と同じ。なお、詩子の家庭は久留美の家庭より後に転居した後、詩子の中学入学前にこの地域に帰って来ている。  ラジオで「しぃ子」と名乗ってきたのは、どこかで久留美が聴いて気付いてくれたら良いと思ったから。  銀嶺中で再会した際、もう後悔することのないように2人の時間を過ごしたい、そのためには一番好きなことを一緒にやりたい、それはラジオだと咄嗟に思った。  美香に対して。  「美香ちゃん」と呼ぶ。  部員となる前は、同じ学校で1年過ごしているが、大規模校なので、顔くらいは知ってるという認識。  入部後は、先輩だけど対等な口調でいいと提案するなど、詩子の方から距離を詰めていく。  物語中で意見が対立する場面があるが、美香の方が論理的に正しいことは理解しており、感情面の問題が解決した後まで引きずることはない。ラジオについての知識や哲学を尊敬し、心強く思っている。 (3)清内路 美香(せいないじ・みか)  久留美と同級の中学2年生。女子。  娯楽放送部にパーソナリティ兼構成作家として参加する。傾向としてはツッコミだが時々暴走。  眼鏡に黒髪ボブカット。背が高く、そのわりに体型は細い。クールな知的美人。  外見通りの真面目な知性派で、学業優秀。  礼儀正しく、言葉遣いが丁寧だが、他人からは近寄り難くも感じられる。他人の会話に積極的に入っていくことはなく、本を読んだりイヤホンを着けていることが多いため、暗いと思われている。今時珍しい丁寧な女言葉を使う。このことが「変、お高く留まって見下している」と一部から「からかい」の対象となっている。  小学生の頃からのラジオオタク。特に学生ラジオに憧れており、進学先となる銀嶺中の躍進にも注目していた。  90歳を超える祖母が壮健で、農村部の自宅は物心付く前から近隣のお年寄りの社交場になっている。お喋りを聴くのが好きだったり、それに哲学を持っているのはこの影響が大きい。しかし、方言のきついお年寄りの会話の中で育っているため、彼女自身も方言が出てしまう。これを隠すために意識して丁寧な女言葉を使っている。加えて中二病なところもあり、どうせなら周囲と違う言葉遣いに憧れた。今更、普通の言葉に戻す機会を見付けられない。  「百合」が大好きで、女性同士がキャッキャウフフしている番組が大好物。妄想も逞しい。ただ、自身が女性と触れ合いたいわけではなく、見ているのが幸せ。百合について語り出すと暴走する。百合成分を多量に摂取すると眩暈を起こす。  ラジオ好きの社会人の姉がおり、可愛がられているが、彼女自身は構われ過ぎだと辟易している。  久留美に対して。  呼び方は「柵さん」→「久留美さん」→「久留美」と変わっていく。  まずは、憧れていた「銀嶺中娯楽放送部の『しぃ子さん』」の幼馴染として興味を持つ。  同級生がからかう自分の言葉遣いや「楽しさ」についての哲学を認めてくれたことで、信頼感を抱く。  そして同級の部活仲間として、学校生活のほとんどを共にする友人となっていく。  詩子に対して。  「しぃ子さん」と呼ぶ。詩子から部活内ではタメ口にしようと言われるが、「不自然さから逆に距離が生じてしまう」と敬語を使い続ける。  旧娯楽放送部での活躍を知っている。しかし入学後は、活動を休止している理由をきくわけにもいかず、遠くから見ていた。  加入後は、学生ラジオの先輩として尊敬の念を持ちながらも、自分に与えられた構成作家の役割を果たすためとあらば意見する。 (4)ラジオネーム「エヴァーウォーカー」  本作のリスナー編の主人公。銀嶺中とは離れた首都圏の中学2年生。男子。  全国大会の会場などの都心部へは、中学生が頻繁に通うのは難しいが、保護者の経済的な理解があれば日帰りで行ける、というくらいの場所に住んでいる。  本名は****。姓名の**の字から本人がラジオネームを考案したが、ちょっと中二病っぽい。  作中では一貫してラジオネームで表わしたい。リスナー同士はラジオネームで呼び合うことが一般的であるし、妹がいるため家庭でも「お兄ちゃん」と呼ばれる。  小柄で細い、いわゆるショタ。  幼少期は体格も小さい方ではなく、勉強も特に作文などで褒められる機会が多かった。しかしなかなか背が伸びず、成績も平凡なものになっていく。  それでもこれから背が伸びるはず、そして自分の才能もまだ世に知られていないだけなんだと思っており、プライドが高い。「僕はまだまだこんなはずじゃない」と思いながら、うまくいかない日常を送っている。とはいえ薄々、現実というものが見えてきつつもある。  そのプライドから、自分が正しいと思うことへのこだわりが強い。ただし「正しさ」に多様性があることはまだ実感できておらず、「自分は正しいことをしているのに、どうして周囲は同じようにしてくれないのか」と納得がいかないことも多い。  物語が始まる前、正義感を発揮して、いじめられていた級友を庇ってみれば、自分がいじめの標的となり、庇った相手までいじめる側に回っていた。僕だけはちゃんと正しいことをしているのに、こんなことになるのはおかしい。いじめから逃れるというより理不尽さへの怒りから、しばらく登校をボイコットしていた。勿論、それによって周囲は彼の正しさを認めてなどくれなかった。自室に引き篭もる生活の中、学生ラジオの個人配信機能で細々と配信を続けていた詩子の声に出会い、なぜか癒された。その感謝を伝えようと投稿を始め、現在に至る。  父は教員で、熱血漢であり、模範的な人間像を口にする人である。クラス全員参加の合唱コンクールの練習で、音痴な生徒に「とにかく頑張れ」と言うタイプ。「正しいことをしたなら、逃げる必要は無いはず」「どうして頑張り続けないんだ。頑張り続けるしかないだろう」と、いじめ問題で傷付いたエヴァーウォーカーに対して良かれと思って発言する。エヴァーウォーカーの正義感や猪突猛進な性格は元々、父の言葉によって形成された部分が大きい。  母は、教員志望だったが採用氷河期で正規職員になれないまま結婚し、家庭を優先する生活に至った経緯を持つ。夫が努力家であることや熱血漢であることも尊敬しているが、どんなに頑張ったつもりでも周囲の環境によって成し得ないことがあることもよく知っている。エヴァーウォーカーがラジオに興味を持ったり全国大会を観覧しに行くことを、応援してくれる。  彼にとっては、「自分だけは****だ」と信じている幼年期から、「人には****がある」と知る青年期へと成長していく、その間の物語になる。
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