R第2話 side D

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朝一で最終確認の為に 営業(この)フロアへ来ている。 ここは今、佳子さんだけだ。 「んじゃ、これで行きます。こっちのパソでも行けてるか確認してもらえます?」 すぐに確認してくれる。 「あ、はい。うん、大丈夫そう」 「……文句言っていいですか?」 「へ? ごめん、おかしい?」 「だいぶね。腑に落ちない」 「え、どこ?」 「断固年上派?」 「うん……?」 「……彼氏、年下じゃないっすか。俺と1歳しかかわらない」 「……え、な、だ……だれに……聞いて……?」 「本人」 「……嘘でしょ!?」 佳子さんは顔を両手で覆った。 「いいですね~、断固年上派が好きになった年下」 「老けてるから、あの人」 「……確かに」 年上なのかと思った。佳子さん、こんなだし。 「プライベートでもデレたり……」 「しない」 「ブレないですね。あ、でもちょっと……」 この前のは……だいぶ……やられた。 「何?」 「いーえ、お幸せそうで何より。いーなぁ、おれも彼女欲しー」 そう言って、企画へ戻った……。 結城さん……か。 あーぁ 佳子さんは全然だけど……結城さんは気づいてる。 いや、全員。営業部全員。 バカだな、俺。 でも…… 好きだったんだ。仕方ないよな。 俺の意志とは別物で、好きだったんだ。
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