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──宮さんと相原が結城さんと佳子さんの結婚式の後……どうなったのか、見れば分かった。状況は良くない事。
その状態が続いてた。俺に出来る事は……もうない。
だけど、ある日を境に……
あー、分かりやすい。みんな、人の事言えなくね?大概だろ。
営業部から、総務へ続く道が……ピンク色だ。
で、それに中野も嬉しそうだ。ふっ、ほんと、コイツ。
もう、何もかもがスッキリした。
あのカップルが誕生した事で、営業部の空気がめちゃくちゃ……変わった。
……そうか、良かったな。
そう思っていたら……ようやく……
『集合!』相原からのメッセージが届いた。
『待ってました!』直ぐに、返信する。
『いつでも』と、中野。
『今日』
『行ける』
『俺も』
──ニヤニヤしてる俺達を相原が怖くない目で睨み付けた。
「ねぇ、知ってたよね。あんたら。で、何か仕込んだよね?」
「知らないことを、知らなかった」
「『何で、言ってやらないんだ?』って、俺は言ったんだけどね」
「『……俺が、言わなきゃならないか?』って、俺も言ったけどね?」
二人で、言い合った。
抜けてる宮さんの文句を言いながらも相原は、幸せそうだなー。としか、言えない顔。
「で、冷めた?」
「まさか!!好きだ」
と、堂々と言ってのけた。
「馬鹿だねー。」と、中野。
「はは、可愛いね。」そう言った。
「……いや、お前のそういうとこ」
中野にそう言われる。
「ん?」
「いや、いいわ」
「全員、再びのフリー脱却だな」
やっと、俺たちも……そう言おうとしたのに
「あ、俺……結構前に別れた」
あっさりと中野がそう言った。
「早!」
「俺、早いときゃ早いんだよね」
「で、そろそろ……彼女出来るんでしょ?」
「あー……どうだろ」
「マジ!? モテんねー」
「俺、こんなだもん」
「はいはい、カンパーイ!!」
「すんごい、いい男だよな。宮さん」
「ちょっと抜けてるとこが、また……たまんねぇんだろ?」
「あんな人にほんのちょっと、弱いとことか見せられたら、コロッだよな」
「ふっ。そんなもの、とっくに落ちてるのよ」
相原の得意気な顔。そして、今までで一番、幸せそうで可愛い顔!
「「はい、カンパーイ!!」」
二人で手を叩いて笑う……。こんな日は飲まなきゃな!
心から笑う中野に安堵する。こうなることを、心から望んでた。そして、途中からはこうなること、わかってたんだよな。
それでも、好きだったんだな。
フリーか……
鋭い中野くんは、気づいているのかね。
ちょっと聞いてみたくなるけど……
黙っておこう、谷川さんの、事は。
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