R第23話 side D

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──宮さんと相原が結城さんと佳子さんの結婚式の後……どうなったのか、見れば分かった。状況は良くない事。 その状態が続いてた。俺に出来る事は……もうない。 だけど、ある日を境に…… あー、分かりやすい。みんな、人の事言えなくね?大概だろ。 営業部から、総務へ続く道が……ピンク色だ。 で、それに中野も嬉しそうだ。ふっ、ほんと、コイツ。 もう、何もかもがスッキリした。 あのカップルが誕生した事で、営業部の空気がめちゃくちゃ……変わった。 ……そうか、良かったな。 そう思っていたら……ようやく…… 『集合!』相原からのメッセージが届いた。 『待ってました!』直ぐに、返信する。 『いつでも』と、中野。 『今日』 『行ける』 『俺も』 ──ニヤニヤしてる俺達を相原が怖くない目で睨み付けた。 「ねぇ、知ってたよね。あんたら。で、何か仕込んだよね?」 「知らないことを、知らなかった」 「『何で、言ってやらないんだ?』って、俺は言ったんだけどね」 「『……俺が、言わなきゃならないか?』って、俺も言ったけどね?」 二人で、言い合った。 抜けてる宮さんの文句を言いながらも相原は、幸せそうだなー。としか、言えない顔。 「で、冷めた?」 「まさか!!好きだ」 と、堂々と言ってのけた。 「馬鹿だねー。」と、中野。 「はは、可愛いね。」そう言った。 「……いや、お前のそういうとこ」 中野にそう言われる。 「ん?」 「いや、いいわ」 「全員、再びのフリー脱却だな」 やっと、俺たちも……そう言おうとしたのに 「あ、俺……結構前に別れた」 あっさりと中野がそう言った。 「早!」 「俺、早いときゃ早いんだよね」 「で、そろそろ……彼女出来るんでしょ?」 「あー……どうだろ」 「マジ!? モテんねー」 「俺、こんなだもん」 「はいはい、カンパーイ!!」 「すんごい、いい男だよな。宮さん」 「ちょっと抜けてるとこが、また……たまんねぇんだろ?」 「あんな人にほんのちょっと、弱いとことか見せられたら、コロッだよな」 「ふっ。そんなもの、とっくに落ちてるのよ」 相原の得意気な顔。そして、今までで一番、幸せそうで可愛い顔! 「「はい、カンパーイ!!」」 二人で手を叩いて笑う……。こんな日は飲まなきゃな! 心から笑う中野に安堵する。こうなることを、心から望んでた。そして、途中からはこうなること、わかってたんだよな。 それでも、好きだったんだな。 フリーか…… 鋭い中野くんは、気づいているのかね。 ちょっと聞いてみたくなるけど…… 黙っておこう、谷川さんの、事は。
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