3785人が本棚に入れています
本棚に追加
──
「クリスマス、どうする?」
目前に、控えたその日の予定を詰める。
「クリスマスはねぇ、家族と」
……アメリカ人か。
「んじゃ、イヴ!」
「はは! うん。どこか行く?」
正直、人も多いし家に居たい。でも、ずっと家だと、手抜きだと思われても困るしな。
「どうするかなー」
そう言った俺に
「一緒にいれたら、それでいいけどね」
と、可愛い事をのたまう。
「いつもと、変わらねぇ」
「何か作ろうか?」
「え、マジ!? 作れんの?」
「ハンバーグとか……ピラフ、カレー、オムライス、唐揚げ……」
「思いっきり、弟のリクエストだろ」
「筑前煮、煮豚、五目煮、さばの味噌煮……」
「思いっきり、親父のリクエストだろ」
「何がいい?」
「……ハンバーグ……」
「あはは! 幼稚園児寄りだ!」
「何が欲しい?百合は」
「あ、えっと……マイクラ。比較的、簡単だから幼稚園児でもplay出来るって……」
「百合の、欲しい物!」
「え、あ、そっか。えっと……」
物凄く悩んでる。そして、諦めた。
「浮かばなーい。堂本くんは?」
「弟と、マイクラする時間」
「いやいや、堂本くんの!」
結構本気だったんだけど……な。ま、じっくり行くか。
ようやく……俺の気持ちに信用が芽生え始めたとこだしな。だけど、付き合って初めてのクリスマス。
幸せな時間を過ごしたい。
最初のコメントを投稿しよう!