R第24話 side D

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「言われ慣れてたりすんの?」 「あー、我が家の男子は、褒めてくれるタイプ」 ……そこに、俺も並ぶのか。ただフラットに。 「百合のお父さん、格好いいよな」 「……うん、そう思う。ちょっと有村さんぽい」 これも……どうかと…… 恨めしそうに見たけど、気づいては、ない。 「お母さんは?」 「どうだろ。お父さんは可愛いって言ってるよ」 「まだ、そんな感じかよ」 うちの両親からは考えられないなー。 「なんせ、結婚して、20年目に弟が生まれるくらいだからね。仲良しだよ」 複雑そうにそう言った。 あ、まぁ……自分の親なら恥ずかしくもあるか。 「良いことだよ。ずっとそんなんでいたいわ、俺も」 そう言ってみたけど……そこも、無反応。 じゃあ、これはどうかな? 「百合は、自分の子供は欲しくないの?」 「……んー……宏樹がいるしなぁ」 「また、違うだろ」 弟と、子供も。まぁ、子供みたいに可愛がってはいるんだろうけど。 「もうやり遂げた感あるし、考えられないなぁ」 と、言われる始末。やり遂げた? じゃあ、これはどうかな? 「……クリスマスはマイクラ持って、百合んち行こうかなー」 「ああ、ジョイコン2つしかないんだよね」 と、言われる始末。 「百合はどっちに似てる?」 そう言って顔を近づける。 「そのうち、ね」 そう言った百合に……今日も誤魔化されるとしよう。 「そのうち、だからな」 そう言って、押し倒す。 「ふふ」 そう笑う百合は……分かってんじゃないかなーと思う。 絶対に、俺の方が……好きな、こと。
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