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『堂本くんね、たぶん……私の事、そんなに好きじゃないと思うんだ』
あの日、百合はそう言った。
『私は分割された愛で満足出来る程度なので』
とも。
今は……どう思っているのだろうか。まだ俺の気持ちは分割されてると?
「そろそろ、オープンにする? 俺たちも」
そう言った俺に
「ん?わざわざそうしなくても、皆知ってるんじゃない?」
……え。
何だよ知ってるのか。皆にバレてる事。
「堂本くん、分かりやすいから」
そう言って笑う。
あー……そうですね。可愛いんだから、しょうがない。
「私も、分割された愛じゃ、嫌だな。もう」
百合のセリフに
「ホールだ、ホール!!」
そう言った俺に、嬉しそうに笑った。
確かに、今の気持ちをホールとしたら……
あの頃は……それほどに、会えば会うほど、円が大きくなる。
百合も、そうだといいな。
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