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R第25話 side Y
「……良かったね。何、その顔」
じとっと私の顔を見た後に、香澄は笑った。
……そんなに、ニヤけてたかな?慌てて顔を引き締めた。正直、ここ最近はニヤけてしまう自覚はあった。それほど、うん、分かりやすく愛情表現をしてくれていた、彼は。
自他ともに認めるほど。
「うん、お陰様で」
堂本くんと付き合ってすぐに報告は出来なかったけど……“ちゃんと付き合ってる”って思えてから、香淳にすぐ報告した。
「堂本くんと百合はともかく、まさか、あの二人が上手く行くなんてねぇ」
香澄のいうところの“あの二人”とは、勿論……宮さんとるーちゃん。
宮さんの事は総務以外はみんな、結婚してると思ってたし。婚約破棄となれば、あまりおおっぴらには出来なかったのかもしれないけれど……
「お似合いだよ」
そう言って笑った。
「そ、隠す気もなく、一緒に帰って、一緒に来て、会社出た瞬間に手を繋ぐ。受付のとこから、物凄く見えてます、色々」
「あはは! もう、幸せ全開だねぇ」
「あんた達もね」
香澄にそう言われ、赤面した。
それに香澄が
「いいなぁ」
ポツリと溢した。
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