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──堂本くんの言うところの“焦った告白”を受けた日に比べたら
彼が私を好きな事は、ずっと分かりやすくなった。
それ故に『何その顔』だなんて、香澄に言われるようになってしまったのだ。
そんな私に、気づかない訳もなく……
「百合ちゃん、彼氏出来た?」
何の脈絡もなく、母親がそう聞いてきた。
「え、な、まぁ、はい」
母親って凄い。
「パパが、心配してたわよ」
そうか、娘に彼氏が出来るって……複雑なのかな。父親からすると。
「26にもなって、彼氏も連れてこないって」
……そっちですか……。
「百合ちゃん、パパのせいで年上好きでしょ? さすがにパパやママより年上なら嫌だなぁ」
20歳上なら、あり得なくもないけどね。
「同い年だよ」
そう言うと、母親の目がきらきらと光った。
「ええー! 見たい! 見たい!」
「またね。そのうち」
私がそう言うと、納得いってない顔で渋々頷いた。
「ママから1つ、アドバイス」
そう言って、人差し指を自分の鼻先に付けて言った。
「子供は早い方が良いわよ。出来るだけ、続けて2人……以上……」
「はいはい、私の年で20年は開けれませんよ」
「ああ、私もおばあちゃんかぁ!」
……気、早ッ。
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