R第25話 side Y

6/6
前へ
/327ページ
次へ
「百合は、自分の子供は欲しくないの?」 「……んー……宏樹がいるしなぁ」 「また、違うだろ」 「もうやり遂げた感あるし、考えられないなぁ」 堂本くんは、私の家族について知りたがる。それだけ考えてくれてるって事も、好感が持てる。 「……クリスマスはマイクラ持って、百合んち行こうかなー」 「ああ、ジョイコン2つしかないんだよね」 わざとそう言うと、今度はこう言う。 「百合はどっちに似てる?」 そう言って顔を近づけてくる。 「そのうち、ね」 彼の言いたい事を悟ってそう言った私に 「そのうち、だからな」 そう言いながら、押し倒してくる。 うん、そのうち。私の家族に紹介出来たらいいな。勿論、彼の家族にも会えたら。自然にそう思えた。 「ふふ」 男の人だなー。自分の子供……か。 いや、堂本くんの子供…… って事でもあり…… 恥ずかしくなって、赤くなっただろう顔を隠すように……彼の胸に顔を埋めた。 堂本くんみたいに、恥ずかしがらずにそんな事が言える人は……やっぱり凄いと思う。
/327ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3784人が本棚に入れています
本棚に追加